【内容まとめ】#スポーツを止めるな2020 〜選手の可能性を見出す〜編


7月3日(金)、SCJ主催のイベント「#スポーツを止めるな2020 〜選手の可能性を見出す〜編」が開催されました。


第一回目に続き、今回も競技を横断したプロフェッショナルによるパネルトークという形式で、各競技における現状や選手を見るときの視点など、多岐にわたる内容の意見交換を行っていただきました。

下記にて、登壇者ごとのトーク内容(一部抜粋・筆者意訳あり)をご紹介いたします。(動画はこちら『フルダイジェスト』)


【登壇者】※敬称略

古田 敦也(元東京ヤクルトスワローズ監督 / スポーツキャスター)

東野 智弥((公財)日本バスケットボール協会技術委員会委員長)

野澤 武史(元ラグビー日本代表 / (公財)日本ラグビーフットボール協会リソースコーチ)

中竹 竜二((一社)スポーツコーチングJapan 代表理事 / (公財)日本ラグビーフットボール協会理事)



冒頭挨拶(SCJ中竹より)


・「#止めるな」活動は、他の分野でも発生している。例えば「音楽」「アート」など。企業及び経済活動はコロナ状況下でも続くが、それ以外の周辺活動は、打撃を受け継続しにくいという状況

・他分野の「止めるな活動」とともに、コロナを乗り越えていきたい

・その中で、スポーツでの取り組みが「斬新さ」や「アツさ」を発信できたり、「参考」になったりすると良いと思う。いろんな分野の方々に「アイデア」を届けたいし、学び合いたい

・SCJは、競技を越えて日本のコーチングを発展させたい。まだまだ競技間の壁が存在する中、コロナによって全種目が影響を受けた

・種目を問わず、学生たちの可能性を見出すための視点や考え方についてお話できれば



※以下、パネラーごとのコメントまとめ

古田 敦也氏(野球)


・現在はプロだけでなく、熱闘甲子園という番組を通じて高校野球との接点も多い。そして今年は甲子園も番組も中止。高校生の進路については個人的にも気になっていた。この活動を耳にし、勉強したいと思い、今日は参加させていただいた


学生たちだけで発信するのは難しい中、大人がプラットフォームを作ったりなどサポートをすることで活動が広がった。そういう点でも素晴らしいと思う。野球はまだ広がっていない部分もあるが・・・

SNS自体に対してマイナスのイメージはあると思う。トラブルもあると思うので。高野連という大きい組織もあり、そこに確認を取らなければならないのでは?と思ったり(実際にはまだ未確認) それもあり、自ら行動するような雰囲気にはならなかったのではないか

ある監督がビデオを撮り、それを大学スカウトに見せるというアクションは聞いたことがある。個別にやることで、トラブルを抑えることにもなる

・優秀な選手は幼少期から有名になり情報が共有されるので、そこでのコーチ間のやりとりは発生している


・選手を見るときは、まず「素材」そして「タイプ」はよくチェックする

・プロの視点になるが、何かに秀でているとプロに入りやすい苦手な部分はプロの環境で補えるので、そのうちできるようになる。秀でていて、且つ欠点を補えると、一軍で活躍できるようになる。コーチは、苦手を補う方が簡単なので

・僕も、強肩でランナーを刺せるというポイントでプロに入った。そこをしっかりやることで試合に出してもらいながら、工夫し考えて、そのうち打てるようになってきた

・一方で、一芸を磨けば良いというのは間違っていると思う。得意なことは、やらせなくて良い。勝手にやるので。得意な方ばかりを取り組んでしまう。ではなく、自分の苦手な部分に向き合って、それを乗り越えようとした人が生き残るので「自分の苦手なものはこれだ」というものを探し、理解し、それから逃げずに取り組んでほしい


・野球においてもメンタルやリーダーシップなどは、子供の頃から培われている部分はあると思う。一方でプロになると生活がかかってくるので、チームの成績もそうだが自分の成績に目が行きがちな部分がある

・ドラフトを経てプロに入るが、チームと学生は基本的に接触ができない。人となりを理解することが難しい。人間性の部分は曖昧なまま判断を迫られることがある。ただメンタルという部分に関しては、夏の厳しい状況下でプレーする姿などから、強さを感じ取ったりすることもある

・プロ野球も状況が変わってきた。フィジカルも考え方も。「アスリート」という考え方が定着しつつある

・プロでは、ポジション変更は割と多い。ユーティリティプレーヤーとして試合に出られるようにトライしたり。今までの実績にこだわらず、トライしてみることも非常に大事だと思う

・幼少時代ではエースで4番でも、高校くらいからどれかに寄り始める。大谷翔平選手は別物

・野球の指導で難しいのは、左バッターで言うと「イチロー」のようにするか「ゴジラ松井」のようにするか、ここの適性も含めたアプローチが大変。どう生き残るのか。どう生き残らせるのか。流行もあるので。「振り子打法」とか

・重要なのは、イチローはメジャーに行って振り子打法をやめた事。大谷も、最初は足をあげて打っていたが、途中から上げなくした。あのレベルでも、上に行くために変化していっている。子どもたちにも、いいなと思ったことがあればやってみなさいと伝えている


・コロナの影響により無観客になって、応援の楽しさは少し変化したが、球音やベンチからの選手の声など、別の面白さが見れるチャンスでもあると思う。新しい発見として、ニューノーマルの一環として味わってもらえれば

・一方で応援がないと、心拍数すら聞こえる時がある、ベンチでのちょっとした音でも気になる。それで力が発揮できなかった経験がある。慣れだとは思うが「静か」はやりにくかった


地域でチームを作るという風になって欲しい。適材適所を見出す上でも。移籍の面も含めて。地域であれば他の種目にトライすることもやりやすくなるのではないか。めぼしい選手は種目ごとに取り合いになるので、行政が中心になって、スポーツを横断的にできる取り組みをやってくれないかなと思う

学校単位では無理が生じている、若い時のチャンスを町単位で応援できたら素晴らしいと思う


・子供達の可能性は無限大であることを、今、改めて感じている。その可能性に自らチャレンジするんだという気持ちで頑張って欲しい



東野 智弥氏(バスケットボール)


・私のあだ名は「クラッシャー」。固定観念を壊して、前に前に進むスタンスで

・若者たちの可能性を見出すというテーマのもと、一緒に学んでいきたい


・機会を創出するという点が素晴らしいが、自ら動くことをあまりしなかった学生からすると、まだハードルは高いと感じる。このハードルを乗り越えると、学生にとって今後も良い影響になるんじゃないかと

全国のどのチームにも良い選手は必ずいる。コロナだからではなく、選手たちの可能性をどう拾うかという原点の部分に立ち返る必要があるのでは

・ラグビー事例を古田さんの番組で見たときに、30分で動画への反応がありリクルーティングにつながったという事例を見て唖然とした。テクノロジーは馬鹿にできない。この良さを、可能性を波及させたい


・秀でているところをハイライトで見せることも重要だが、ポジションや特技そのもの、そして過去からどういう変化をしてきたのかどういう考えのもと、指導者からの教えをどう受け止め成長してきたのか。映像にはそういう部分も出ると思うので

ベンチでの立ち居振る舞いなど、その選手のキャラクターも重要な要素

・言葉での表現も大事だし、有効だと思う

プレー以外の部分や、過去からの成長の軌跡が分かると良いと思う

・バスケは、ハーフの選手も多い。ラグビーは、いわゆる海外出身の選手もたくさんいて、多様性が認められている素晴らしい文化がある。バスケも、そういうグローバルな環境を受け入れ、進化する必要がある

・いろいろな視点を持ってアピールすることが大事だと思うので、思い切って「悪い部分」を見せるくらいのアクションがあっても良いと思う。例えばミスシーンとか。それも、プロが見れば改善点も分かるし、すぐ治せるものであればプラスに要素になるかもしれないので。ミスした時の態度や表情、その部分も含めて大事になってくる

選手を見る側にも学びが必要

自分が認識しているアピールポイントと、他者が認識しているポイントが違うことがある

自分のことは自分じゃ分からない。そこを理解し積み上げていくことが、選手としてはもちろん、その後の指導者としても有効になってくる

・イチロー選手や大谷選手のように、自分の中で物事を解釈できる、どうレベルアップしていくか、どう変化できるかってとても重要だと共感した。これがまだできない人たちに対して、今回の#止めるな活動をきっかけに客観的に自分を見て、リクルーティングに繋げるPRだけでなく、自身のレベルアップにつなげて欲しいと思う

適応能力も大事だと思う。バスケでも大事で、八村なんかは英語も全然ダメだった。でも今は記者会見でも話せる。我々は適応能力を持っている。大きな可能性を感じる

ニューノーマルに向けて、いろいろなスポーツから学ぶこともたくさんありそう

・映像を作るというアクションそのものが、やったことない事へのチャレンジなので、必要な事なんだと捉えて欲しい


いろんなスポーツに取り組んだ方が、選手の可能性は伸びると思う。その中で好きなスポーツを見つけ、のめり込んでもらえると良いと思う。いろんな人に出会う機会にもなると思うので


・受け身ではなくて、自らアピールし、チャンスを掴み切り開くということの大事さを理解しトライして欲しい


野澤 武史氏(ラグビー)


・メディアにも出たことで、SNS上での反応も変わってきた。他のトップリーガーがどんどん参画してくれている

・ラグビーは、とても柔軟だと再認識した。SNSどころかスマホ禁止のところもある。一概に禁止ではなく「こういう危険性がある」ということをセットにして学ぶという姿勢も必要ではないか

・人材発掘の仕組みを変えたいと思っている。下記画像のように、協会から探しにいくのではなく、全国から情報が集まってくるようにできないかと


・こうなると、原石の取りこぼしが本当に減らせると思う(ラグビーのビッグマン&ファストマンキャンプも然り)


・選手の能力などは、あらゆる面において一定の基準以上ないと良いパフォーマンスにつながらないという研究結果がある。どこか一つマイナスがあると、難しいという点。アベレージまで乗せることが大事

・ラグビーのニュージーランド代表が選手を見る時の視点6つ(technical/tactics/physical/mental/Coaching Skills/Leadership Holistic)これでいうと、最初の3つがハード面、後ろ3つがソフト面と分けられる

・選手の可能性を見るときに「期間」も重要。発掘時だけではなくて、何年後まで見据えて選手を見るのか。とても有能な選手がいたときに、卒業後もそのポジションで勝負することが本当に選手のためなのか、そこまで見据えてポジションを変更させたケースもあった

・ラグビーにおける良い指導者は、選手のことをよく見れるポジションの人かなと。視野を広くしながらプレーする人たちですね ・メタ認知能力。自分のことを第三者的に見ることで、成長につながる変化ができるのかなと。逆に過去の成功に縛られると、うまくいかない

・総じて、環境に慣れることができる選手は強いと思う。無観客にしろそうでないにしろ

・「6人目のSMAP」というワークショップがある。自分の強みを活かすのか、足りていないところを埋める形でアジャストしていくのか(例えば司会なら中居くんがいるし、みたいな)

・部活は、その学校の部にしか所属できないようになっているため、育成年代の移籍は現状難しいものとなっている。フィットしなかったときに、その種目を嫌いになる原因になってしまう危険性はある。ここの流動性はキーになりそう


選手がありたい姿でいられる素晴らしさ、それを大人たちがサポートするということが重要だと思う。それが、良い人材を産んでいくのだと思う、皆で取り組んでいきたい


中竹 竜二氏(SCJ/ラグビー)


カテゴリー別での文化は存在する。高校では部活、中学ではクラブチームなど。クラブだと一般の方が動くのでSNSなどの利用率も上がるので、そこでのアクションは実際に起きていそう


・昔はプレーさえできていれば良いというものだったが、今はオフザフィールドの部分もとても重要とされてきている。その部分の訴求も、良いアピールになるのではないか

・選手を「丸ごと見る」、この考えは本質的

長期スパンから見た適材適所、キャリアを考えた際のポジション変更という考え方、良い視点です

・うまくいってるけど、それを変化させる力

・「#止めるな活動」もそうだが、ほっとくと止まってしまう、終わってしまう、何か変えなきゃ、もう一回盛り上げようという思いが、物事を動かしていると感じている

・心理学的に見ても、応援はパフォーマンスに大きな影響がある

・プレーもそうだが、スカウトが見る視点は、選手の「適応力」があるかどうか。この辺りなのかもしれない。「変える勇気」もそのひとつかもしれない


・今後も「#止めるな」活動イベントは実施していく予定。時代に応じたイベントをSCJとして提供していくので、「社会を変える力」を追い求めて、これからも頑張りましょう



以上

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