【開催レポート】ユース世代の可能性を拡げるには(後編)

最終更新: 2019年1月29日

2018年12月3日に開催されたトークセッション「ユース世代の可能性を拡げるには〜3競技の日本代表コーチの視点から考える〜」では、ユース世代のトップアスリートを率いて世界と戦うコーチが一堂に会した。


未知のポテンシャルを秘めたユース世代のアスリート。その可能性を最大限引き出し拡げるためには、いったいどんなことに注力すればよいのか。3競技のユース世代日本代表コーチがそのノウハウを語った。前編はこちら。



選手自身に評価するポイントをあらかじめ共有する


野澤:中竹さんがユースを指導されていて一番効果があったと思うのが、頭の中のカルテだと思っています。なので試合中での次の問題解決は、全てフレームワークで考えています。


多くの方は仕事をフローで考えていると思うんです。例えば、シーズンが始まると「ここで大会があって、夏合宿で追い込んで、試合に向けて準備をしていく…」と。ニュージーランドのディベロップメントの6つのフレームですが、「テクニック」なのか、「ライフスタイル」なのか、「フィジカル」なのか、「メンタル」なのか、「タクティクス」なのか、「ニュートリション」なのか。これが正解とは言いませんが、仮にこれらが頭の中にあれば「いま、この選手は何が優れていて、何が足りないのか」と個別に問題を切り取り一つずつ解決、後に統合することができます。こうしたフレームで考えるのは、ラグビーで成功している方法の一つとしてあげられると思います。


中竹:安保さんや萩原さんは、自然にやっているかもしれませんが、選手個人やチーム作りのフレームワークはありますか?


萩原:育成キャンプなんかでやっているのは、栄養や戦術の講義。私の頭の中では個の選手の強み弱みを整理してあっても、個人のカルテにはしていないのでいいなと思いました。


野澤:安保さんのおっしゃっていた「選手のあるべき姿」のお話で言うと、例えばレーダーチャートで「全日本の同じポジションの選手の跳躍力はこれくらいだよね。戦術思考はこのくらい。君のレーダーチャートはこのぐらいの大きさだから、ここを伸ばしたいね」といったように伝えられます。


萩原:可視化ができるということですね?


野澤:そうですね。これがないとパフォーマンスがダメだった時に、技術が足りないのか、戦略脳が足りないのか、夜中まで起きていたのが悪かったのかがわかりません。アバウトな指摘になるので、成長が遅くなることがあると感じています。


中竹:安保さんはどうですか?


安保:スキルのように定量化できるもの、バレーボールで言えばスパイクやサーブレシーブの返球率、ブロック力など、スキルの部分をチャートにするのはできると思います。ただ、若い選手はその標本数が十分に揃わないことがあるのと、僕はどこかで定量的分析の限界を感じています。


ある程度の基準にはなると思いますが、同じ場面はないのでそれがどこで評価として正しくなるのかと。ただ、個人のどういったところが足りなくてどういったところが優れているのかをそこまで厳密にしなくとも、可視化して見せることは非常に有用だと思います。



コート場で発揮する能力がパフォーマンスだと思ってまして、そのパフォーマンスが高いという土台に、僕の場合はいつも三角形を描いて提示しています。三角形を構成する一番下に「健康・コンディション」、その上に「体力・フィジカル」が来て、その上に「技術」が乗っかり、最後に三角形で「メンタル」が乗っかる。パフォーマンスの概念図のようなものを選手に見せていて、実はこれが選考基準になります。自分で健康やコンディションを整えられない選手は、最初の段階で選考から外されます。ですから、そうしたことを見せて、まずはアスリートとして自分で健康やコンディションは整えないといけないということは伝えています。


中竹:先に選手に共有しているのですか?


安保:はい。若い世代は高校卒業まで、所属チームの考え方を考慮しながら育成する必要があるので、代表チームに来た時に「体力を重視するべきだ」「技術を重視するべきだ」という順はつけません。ただ、パフォーマンスを発揮する概略としては下から「健康・コンディション」があって「体力」その次に「技術」となります。


中竹:わかりやすいですね。それは選手自らがチェックできるようになっているのですか?


安保:どこまでこちらが意図するように選手が理解しているかはわかりませんが、言い続けなければいけないと思っています。実際に若い世代の女の子は貧血が多いので、実際にそういう状況になった時にこの図を見せて、「あなたのこういうところをアプローチした方がいいよね」と実体験を通じて理解してもらうようにしています。本当はコンディションが悪くならないように、こちらが先に手を回してもいいかもしれませんが、そこに自立ができなければ選手の成長の頭打ちが来ると思うんです。若いうちの失敗は先への投資だと思って、ぎちぎちに管理しないようにしています。



自分のコンディションをコントロールできる選手が代表として活躍できる


中竹:ありがとうございます。今の話は本質的に一番大切だと思うのですが、おそらく代表チームを率いると常に自分のチームにいるわけではなくて、その土台の部分は個人や所属のチームに委ねることになります。本人を含めて、「時間をかけるなら、コンディションを整えるより上手くなりたい」というジレンマがあると思うのですが、どう考えていますか?


萩原:うちの場合よくあるのが、代表合宿に来るといろんなところの怪我が見つかるケース。所属先だときちんとチェックをしていないだとか、あるいは痛くても我慢をしていることがあって。代表合宿に来るとトレーナーがきちんとチェックをするので「実はここ疲労骨折っぽいんだよね」と代表合宿に来て休ませなければならないジレンマはすごくあります。そういう時に、「せっかく代表に来たんだからプレーはしたいと」とやはり多くの選手はやりたがりますよね。でも私たちとしては、怪我のリスクのある選手を練習に参加させられないので、こちらも参加をしてほしいけれども我慢してもらうようにしています。


中竹:他にいかがですが?


野澤:ユースの強化って、僕が入る前に抱いていたよりも時間がかかります。やはり一緒に接することができる期間は一瞬しかないし、一年間日本代表のためだけにやっている人はいません。やはりチームや学校、時には寮で一緒に生活している仲間と勝ちたい。そういった目標を持ってやっていると思うので、その活動を阻害してはいけません。



持続可能なユースの強化をするのであれば、現場の先生との意思疎通はものすごく大事で、結局いろんな先生を知っていて、頭を下げてフェイストゥーフェイスでつながっていること。SNSが流行っている時代だからこそ、一緒に飲んだりバカをやったりということがすごく効いてくる。それなしでは逆に、現場の選手を継続的に鍛えるのは難しいのかなと思います。そこが思っていたより200倍くらい時間と労力がかかっていると思います。


中竹:安保さんはいかがでしょうか?


安保:萩原さんと同じで、代表合宿に来るまでに各都道府県のトーナメントを戦って来たりだとか、そういうタイミングでしか合宿招集することができないことが多いので、選手は疲労困ぱい。コンディションのピークを迎えてから来ています。実際その状態で来ているので、シンスプリントが破傷していたりだとか疲労骨折を疑う症状を見ることはしばしばあります。


ですが、そこの合宿で練習しなければ合宿の目的を果たせないのか、と言えばそうではありません。選手には当然ながらコンディショニングを優先させて、もしコートサイドで練習を見られるのであれば、「この場面で自分だったらどういう動きをするか」をイメージさせるだけでもトレーニングになります。ある程度うちに来る選手の技術は高く、熟練者の域に来ている。そういう選手は脳で自分の動きイメージするだけでも、神経系が動いているらしいので。そういう意味で、「もし見られる状況であれば頭で練習に参加してください」と伝えています。


中竹:すごいですね。実際にこれは脳科学的に実証されていて、例えば体操の内村選手の脳は他の人と全く違って映像的疑似体験ができるといいます。ただ、これは鍛えれば誰でもできることなので、こういうことをコーチが知っているかが大切なところ。練習をやらせるべきなのか、我慢してコンディションを鍛えながら脳を鍛えるのかで強化の仕方が変わってきます。そういう意味ではコーチがこういう場に来て、学ぶのが大事だと思います。



ON the FieldとOFF the Fieldの指導


中竹:最後に僕から聞きたいのが、ON the FieldとOFF the Field、いわゆるコート内とコート外の話。いまスポーツ界でも競技以外の部分、例えば時間を守るとか礼儀正しくするとか、と競技の中でどういうふうにコーチングをするのかを分けて考えていますが、その配分やその強調の仕方はどうしているのでしょうか?特にユース世代の人はいろんな意見があるのでお伺いしたいです。


安保:私は選手にどういった選手になってもらいたいかというので2つあります。1つは個の自立。もう一つはチームに主体的に貢献できる選手になる。この2つを掲げています。1つ目の個の自立ということで、萩原さんのお話と重なりますが合宿に参加してスケジュールを配りますが、5日間なら5日間のスケジュールの中で私たちコーチングスタッフが選手を拘束する時間だけを書いています。「それ以外の間の時間はあなたの時間です。その時間をどのように過ごすかは自分たちで考えてください」と伝えています。タイムマネジメントは個の自立の一歩だと思うんですね。


その先に自分がどうなりたいかを思い描いていなければ周りに流されます。自分がどうなりたいかが描けているからこそ「私はどういう行動をすべきか」がわかって来て、自ずと合宿中に帰ったら試験を控えているから勉強をすることもあるでしょう。睡眠時間を削りますが、それを当然ながら咎める理由はなくて、時には睡眠時間を削らなくてはいけない。こちらはそう受け取り方をしています。もしかすると、私は本人の判断に委ねているところがあると思います。ただ、一番最初のオリエンテーションでこの競技に関わる者としての使命やナショナルチームの使命、U19、U20でどういったことを学ぶ使命があるかを話しています。


中竹:ありがとうございます。野澤さんお願いします。


野澤:OFF the Fieldを今年のU17でも取り組んだのですが、「OFF the Fieldをしっかりしよう」ではなく「OFF the FieldもON the Fieldも同じ」ということを伝えるようにしています。


例えば、お昼ご飯の配膳で箸をどちらの向きに並べるか。トイレのスリッパがガタガタになった時に、「直してから履くのか」「履いた後に直すか」の違いだから、先に直した方が次の人のためになる。そうした思考はラグビーのグラウンドで、「ボールをどうリリースをしたら次のアタックをしやすいか」と全く同じ発想だと思うんです。これを言っているのが、ラグビーの常勝チームである東海大学付属大阪仰星高校の湯浅監督。


彼は「学校の授業は全部ラグビーと一緒だぞ」と言っています。例えば、英語の単語を覚えたら海外の映像をそのまま見られるし、レフリーの言っていることがわかるようになる。国語を勉強したり漢字を覚えたりしたら、より難しい本が読めるようになって知識が増え、ラグビーのパフォーマンスが上がる。だから学校の勉強をする、とおっしゃっていて僕の中では腹落ちしたところでした。


「しっかりしろ」と言うと「はい!」と言う「高校生イエス問題」がありますが、そうではなく納得させることによってより伝わるのかなと思います。


中竹:具体例をありがとうございます。萩原さんはどうでしょう?


萩原:これは結構難しい問題だなと個人的に思っていて。というのも、お二方のように育成キャンプの時には行動規範を説明して「ナショナルチームにふさわしい言動を」と伝えます。今よくインテグリティ(スポーツが様々な脅威により欠けることなく、価値ある高潔な状態)ということも言われますが、スポーツをする人間はそんなに高潔である必要があるのかと考えるところがあります。ONとOFFと言いますが、例えば「選手の模範であれ」とコーチにも求められたりする。けれど、人間そんなに24時間模範的なことができるのかと思うと、どうなのかなって…



例えば行動規範の中で「代表選手にふさわしい言動を心がけなさい」と言いますけど、その内容は「他の競技の人に迷惑にならないように」とか、言っていることに内容がないなと。「なぜそうしなければならないのか」というところまで、私たち自身がまだ答えを持っていないのかなと思っています。答えがないのに「とりあえず迷惑をかけないように」というのは、本当に心の教育になっているのかと考えるところがあります。その辺りは難しくて、答えはないなと思っているところです。


中竹:ありがとうございました。最後に出たインテグリティの問題は、ついついプッシュ型で現場としては何かをやろうという感じですね。ちなみに参考までに僕自身、日本ラグビー協会でやっているのが、トップコーチ自身に規範となるインテグリティを作ってもらうこと。「こういうことをやめる」「こういうことを推奨する」ということを決めてもらいます。まさに「なぜやるか」を考えないといけない。選手に言うからには、コーチも目標を掲げようとスタートしています。


車いすラグビーにも関わっていますが、各々の選手がインテグリティを自分自身で掲げています。そうしないと、萩原さんがおっしゃっていたように「なぜやっているのか」ということに陥りがちなので。ついついメッセージは「べき論」で考えられがちですが、自分ごとに置き換えて伝えることが全競技で大切だと思います。



考え抜くコーチが、自分で考える自立型の選手を育てる


特に正解はないのですが少し考えてほしいのが、皆さん自身が今日のお話を聞いて「こういうコーチがいるといい」「こういう世代が生まれるといい」こうした理想をコーチ視点でも選手視点でもいいので、書いていただきたいです。では、お願いします。


(参加者が回答を記入)


中竹:では、皆さんの回答を見てみましょう。


萩原:やはり皆さんユース世代を育てるということで、人間性だとか自立する選手を育てたいことをおっしゃっていますね。どうすれば自立する選手を育てられるんでしょうね。


安保:そこが皆さん重要だと思って、日々考えていることだと思います。なぜ選手に自立してもらいたいのかというところから紐解いていくと、自立を促すためにどのようなアプローチをすればいいのか、ご自身の中で見つかると思います。そしてその取り組みを、コーチ間で共有していくべきことだと思います。


「こんなの私が一言やれと言った方が早い」という思いと「でも選手には自立してもらいたいんだよな」という思い、そのギャップが大きいと思います。そこをコーチが我慢して、選手の成長を待てるかが重要だと思います。


萩原:先ほど安保さんとの話していたのですが、選手に練習のテーマを決めさせるんですよね。代表選手ってなかなか時間がありませんが、そこまでできるのかと感心しました。


野澤:そういうコメントが出やすい空間を作ってあげるのも、指導者の仕事だと思います。今年のU17はここ最近でも最高の人材が集まりましたが、全然喋らない世代でした。それこそ試合4日前くらいまで全然喋らないけど、グラウンドに出たら足も速いし攻撃力もある選手が揃っていました。そんなときに一つだけ、チームにワークショップをやって成功したのがとてもよかった。


試合前日にやったワークショップなのですけど、「日本代表が韓国と試合をして負けました。なぜでしょうか?」というワークショップを行いました。勝つ方法を考えるときは、だいたいキャプテンなど中心とした選手が喋りますが、負ける方法になると全然喋らない選手や控えの選手などもどんどん話してくれて。そこからチームが一つになって、発言するようなチームになりました。こんなにチームって変わるのだなと体感しました。

指導者は、そういったアプローチから逃げないことが大切です。最大の敵は何かと言うと、めんどくささなのです。はっきり言ってそういう場を作ることは、面倒で手間がかかる。そうしためんどくささをどれだけ我慢して、選手と向き合い続けるかだと思います。


中竹:具体的な例をありがとうございます。僕も皆さんと一緒で実際にどうすれば自主性を高められるだろうかと考えていました。おそらく自主性や主体性を高めたりするのは、言葉で言っても難しい部分もありますよね。



お三方の話をざっくりとまとめると、すごい考えているということですね(笑)。多くの人はどうすれば自主性を伸ばせるかを、答えがないかと思って他の話を聞いたり本を読んでみたりしようかなと調べると思う。ただ、これでは考えていないので自主性は高まりませんよね。このお三方くらい「これでいいだろうか」「何を言おうか」「もう少し我慢しようか」と考えること自体が深みとなって、そのまま選手を育てることにつながっていると思います。


ぜひ今日見逃してほしくないのが、安保さんの言葉にもありました「選手自身で考えさせること」に関して。実は最初に大切なことを言うんです。これが一番大事で、ついつい「自分で考えさせる」となると全て質問をしますが、それでは機能しません。ここは大きな落とし穴。絶対に譲れないことだけは伝えるんです。こうしたグラウンドルールはプルでは絶対に出てこないので、必ずプッシュしてください。プッシュするに当たっては、ひたすら考え抜かないといけません。突っ込まれた時に自分の言葉で言えないとベースを引けないので、そこはひたすら考え抜いていただきたいです。



小さな習慣の積み重ねが選手との信頼構築につながる


中竹:最後にコーチ自身のお話をお伺いしたいです。パワハラなどコーチが抱えるリスクに関しては、どういうことを考えていますか?


野澤:ラグビーの場合、特に海外のチームは学校ではなくクラブチーム単位。集まらないと隣のチームに行ってしまうので、ニュージーランドのコーチは選手を楽しませる発想から入っています。


数年前、京都の公立高校である桂高校が全国大会に出た時がありました。その時はラグビーをやるために15人集めないといけない状況でした。そのために何をやったかというと、毎日ゲームをやるんだと。いろんな練習がある中で、一番人間が興奮するのはゲーム。とにかくゲームをやって、毎日の満足度を上げる。そういうことをして選手を集めたという話を聞いて、僕は感銘を受けました。


やはり一番の原点を考えて選手をいかに呼び込めるか。いまラグビーは高校の競技人口が減っている中で、考えさせるチームや楽しんで練習をしているチームが勝利に結びついているので、いい方向に向かっているのかなと思います。


中竹:萩原さんはいかがでしょうか


萩原:選手に気を配るのかという質問にお答えすると、すごく気を配っています。言葉を受け止める側が感じてしまうとパワハラになるので、言葉を発する前に一拍必ず考える癖をつけています。バスケットボールを指導する時に、選手を触ってしまうとハラスメントになりかねません。私は指導する対象が同性なのであまりそこで悩みませんが、やはり触って指導するときには「触るよ」「ごめんね」と声をかけるようにしています。


あとは、基本的な選手との信頼関係ですね。同じ言葉でも選手がどう受け止めるか、意図を汲んでくれるかという信頼関係を選手と築けるかに一番気を配っている。その言葉の字面というより、その前段階にどういう関係を築けるか。私たちの場合は拘束時間が短いのですごく難しいことではありますが、なるべくコミュニケーションをとることだとか、たわいもない話をするだとか。私が自分で決めているのは、必ず私から選手に挨拶をすること。朝会ったら、たとえ昨日の夜消灯時間が遅くて怒ったことがあったとしても、私から「おはよう」と笑顔で挨拶をしています。これだけでもだいぶ違う。続けていくと選手の方から挨拶をしてくれるようになります。


中竹:いい話ですね、安保さんはどうですか?



安保:私はコーチングの現場で選手の技術指導をする際に、技術の向上をしようと思ったら動作の改善が必要になってきます。その時に、例えば「改善する時にこういう動きをするんだよ」と教える時には「触るよ」と必ず伝えるようにしています。それは萩原さんと同じです。もしハラスメントがあるとしたら身体を触ることにあると思うので、できるだけ予防線を張ることだと思います。


あと僕は基本的に罵声を浴びせたり、床にボールを叩きつけたり、と自分の感情をコントロールできないことは一切ないと思います。その行為が本当に選手のためになっているのかを考えた時に、何もそれはプラスにならない行動だと思います。パワハラや罵声は、自分の指導力のなさを表しているだけだと思います。


野澤:U17では毎試合、選手にアンケートをしてもらっています。去年は「自分のことを相談できるスタッフがいる」という項目が、評価基準の中で一番低かったんです。それを監督の浅野と「悔しいな、来年はもっと上げよう」と話していて。今年は試合を重ねるごとに評価は上がっていき、最後の試合では満点をもらえて、これを自慢したかった(笑)。ただこういうアンケートは、自分のチームを持つとなかなかやらないと思う。わかっているようでわかっていないことが過分にあると思うので、やってみるとメタ認知できるのかなと思います。


中竹:実際に僕もこのチームを見ましたが、この評価の上がり具合が嘘ではないくらいチームが変わりました。あっという間に時間が来てしまいました。


まとめとして、ユース代表の環境はすごく良くなってきました。自分のチームではない、日程は限られている、選手のコンディションも悪い中でどれだけ評価するのかというときに、僕自身ユース代表コーチを評価・選ぶ側にいますが、やはり基準は絶対に言い訳をしない他責にしないこと、できることは絶対に自分でやること。先ほど萩原さんの言葉でもありましたが、どんなことがあっても自分から挨拶をする、自分でカルテを作るなど。はっきり言って自分のチームを持つより圧倒的に難しい環境の中で、お三方は妥協せず言い訳をせずにやり抜いているのが印象的でした。


エッセンスをつかむ際には、難しい環境で活躍されているお三方のことを思い出して、今後のコーチングに反映していただけたらと思います。2/9(土)もカンファレンスを開催します。「スポーツの壁を超えて、繋がるカンファレンス」で、組織論&リーダー育成論、人材活用、分析、マネジメント、ガバナンス、 e-sportなどをテーマに豪華な登壇者にお越しいただくので、ぜひ都合がつけばいらしてください。2時間いただきありがとうございました。改めてお三方に拍手をお願いします。ありがとうございました。



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